この記事では、年末調整後に必要となる手続きと提出書類について、主に企業の経理・総務担当者向けの内容を解説しています。
年末調整後の提出書類と手続き
年末調整は、従業員を雇用する会社にとっては毎年実施する必要のある一大イベントです。年末調整によって給与所得者の所得税が確定するため、非常に重要な手続きとなっています。
年末調整は、10月くらいから手続きが始まり、年末に向けて様々な作業を進めていきます。全体的な流れについては、以下の記事で解説しています。
年末調整自体は1年間の所得税額を確定させれば終了ですが、年末調整に関連して作成しなければならない書類があります。
それが、源泉徴収票、法定調書合計表、給与支払報告書などです。
源泉徴収票の提出
源泉徴収票は、1年間の給与の支払いに対する源泉所得税の情報をまとめたものです。
2部作成し、1部は税務署に送付し、もう1部は従業員に渡します。
従業員に対しては、必ずすべての人に交付する必要があります。そのため、サラリーマンにとっても、毎年会社から渡される書類ですので、馴染みがあると思います。一方、税務署への送付が求められる源泉徴収票は、一定の金額基準等が設けられており、必ずしもすべての人に対する源泉徴収票を提出する義務があるわけではありません。
法定調書合計表の提出
法定調書とは、その名の通り法律で提出が義務付けられた書類で、様々な種類の法定調書が存在します。
そして、これらの法定調書をまとめたものが法定調書合計表です。
提出先は管轄の税務署で、提出期限は1月31日です。
給与支払報告書の提出
給与支払報告書とは、市区町村が住民税を課税するために、その自治体に住んでいる住民が会社等からいくらの給与・賞与を受け取っているかを把握するためのものです。そのため、提出先は税務署ではなく、各自治体となります。
書類は、「総括表」と「個人別明細書」から構成されています。
内容的には、源泉徴収票の記載内容をとりまとめたような書類です。したがって、給与支払報告書は、通常、源泉徴収票と同時に作成していきます。
給与支払報告書の提出期限は1月31日です。
もし、提出期限に遅れてしまった場合、特別徴収のスタートが7月以降にずれ込んでしまうこともあります(通常は6月からスタートして、年税額を12分割して徴収していきます)。
給与支払報告書の提出義務については、こちらの記事で解説しています。
年末調整後の提出書類と手続きのまとめ
年末調整は、10月くらいから書類の準備が始まり、年明けにかけて源泉徴収票、法定調書合計表、給与支払報告書等を作成し、1月末の期限をもって、ようやく一連の作業が終了します。
書類を作成する手間やチェックに時間がかかるため、早めに全体の流れとスケジュールを確認しておくことが大切です。