分詞構文とは
分詞構文とは、分詞が導く副詞句が文全体を修飾することで、結果として副詞節の代わりをしたり、文を簡略化する構文のことで、分詞が接続詞と動詞を兼ねた働きをするのが特徴です。
主に、主節の主語が同じである場合に用いられます。
なお、分詞構文は文語的な表現であるため固い印象があり、日常的な場面で頻繁に使われるようなものではありません。
しかし、TOEICをはじめとする各種検定試験やビジネス文書においては目にすることも多い英語表現手法です。
分詞構文の作り方
分詞構文は、文を短縮(単純化)する効果があります。
接続詞+S’+V’…, S+V…. |
この文章を分詞構文で表現すると、
現在分詞/過去分詞(-ing形/-ed形)…, S+V…. |
となります。
つまり、「分詞構文」とは、
- カンマを挟んだ左右の節の主語が同一かどうか確認し
- 接続詞を省く
- 主節と同じ「S’」の場合は「S’」も省く
- 「V’」を「現在分詞(-ing形)or過去分詞(-ed形)」にし、それ以下はそのまま同じ形の構文で表したもの
ということになります。
省略した印として動詞に-ing/-edを付ける、と理解すると分かりやすいです。
分詞構文の訳し方
分詞構文は主に次の6つの意味を持っています。
- 時を表す表現:when、while
【訳し方】~するとき
- 原因や理由を表す表現:because、since、as
【訳し方】~するので
- 条件を表す表現:if
【訳し方】~するならば
- 譲歩を表す表現:though、although
【訳し方】~するけれども
- 結果を表す表現:and
【訳し方】そして~した
- 付帯状況を表す表現:-ing
【訳し方】~しながら
否定の分詞構文
分詞構文の否定は単純です。
分詞の直前に「not」を置くだけです(Not+-ing)。
分詞構文問題の解き方
TOEICでは、Part.5やPart.6で分詞構文の問題が出題されることがあります。
典型的な問題パターンと解法を以下に示します。
【問題】 ( )…, S+V 【選択肢】 |
<解き方>
まず、省略されているS’を復活させます。
S’+( )…, S+V
そのうえで、
S’がする →現在分詞(-ing形)
S’がされる →過去分詞(-ed形)
のどちらが適切か判断すればよいことになります。
左右の節の主語(S)が同一でない分詞構文もある
分詞構文は基本的には左右の節の主語(S)が同一の人や物を指すことが前提ですが、そうでないケースもあります。
これを「独立分詞構文」と言います。
非常に文語的な表現なので、慣用表現以外では使われることはほとんどありません。
構造についてはあまり深く考えず、意味から理解してしまうのがよいと思います。
慣用表現 | 意味 |
---|---|
Judging from | ~から判断すると |
Generally speaking | 一般的に言うと~ |
Speaking of | ~と言えば |
Frankly speaking | 率直に言えば~ |
Strictly speaking | 厳密に言うと~ |
Considering | ~を考えると |
Weather permitting | 天気がよければ |
Compared with | 〜と比較されると |
まとめ
分詞構文は、一見なぜこのようなややこしい構文が存在するのか?と思われがちで、苦手意識を持つ人も多いですが、たくさんの英文に接するとその”コンパクトがゆえの良さ”がわかってきます。
仕組みさえ分かってしまえば、分詞構文はそれほど難しい文法ではありません。