源泉所得税の納付遅れに伴う罰則【不納付加算税と延滞税】

源泉所得税については、納付期限を過ぎてしまった場合に、不納付加算税というペナルティが課せられます。

不納付加算税は、一種の罰金のようなもの、ともいえるものです。

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源泉所得税の納付遅れに伴う罰則

源泉所得税納付遅れの罰則

不納付加算税の税率(原則)

不納付加算税は、源泉徴収によって納めなければならない税額の10%です。

税額が1割増額されることになりますので、小さい額ではありません。

これは、納付期限から1日でも遅れると課税されるのが原則となっているうえ、何日遅れたかは考慮されません。

要するに、日割り計算などは行われずに、一律に「税額の10%」で計算される、ということです。

なお、源泉所得税に係る不納付加算税には例外があり、後述するように、そもそも不納付加算税が免除されるケースと軽減されるケースがありますが、これらに当てはまらない場合は、原則通り「税額の10%」が徴収されます。

不納付加算税が免除されるケース

源泉所得税の納付が遅れた場合でも、例外的に、不納付加算税が課されない場合があります。

それは、以下のケースに該当する場合です。

  1. 正当な理由がある場合
  2. 納付期限から1か月以内に納付した場合で、過去1年間に納付遅れが生じていない場合
  3. 不納付加算税が5,000円未満になる場合

1の「正当な理由がある場合」とは、例えば災害等でやむを得ず納付することができなかった場合などが該当します。

2については、過去1年の間は納付期限までにきちんと納税を済ませており、今回たまたま遅れてしまったものの、本来の期限から1か月は経過していない状況です。

3については、本来は不納付加算税が課されるケースではあるものの、計算した結果5,000円未満になることから、少額であることを理由に免除になるケースです。

不納付加算税が軽減されるケース

上記のように、一定のケースでは、納付期限を過ぎてしまっても不納付加算税が課されない場合がありますが、これに加え、不納付加算税が軽減されるケースもあります。

それは、納付期限を過ぎてしまったとしても、自主的に納付した場合です。

「自主的に納付」というのは、つまり、税務署等から告知を受ける前に納付をしたとき、ということです。

このケースに該当すれば、不納付加算税として上乗せされる額は、税額の5%に軽減されます。

延滞税について

源泉所得税の納付が遅れた場合には、不納付加算税に加えて、延滞税もかかります。

延滞税は、遅れた日数に応じた日割り計算です。

こちらはペナルティというよりは、遅延利息のような性質のものです。

きちんと期限までに納めた人との公平性を保つ観点から、遅れた日数分の利息を払う決まりになっています。

延滞税は、納付期限から2か月までの部分と、2か月を超えて遅れた部分に分けて計算し、それぞれを足し合わせたものが最終的な延滞税となります。

税率はそれぞれ以下のようになっています。

  • 2か月まで :2019年は2.6%
  • 2か月経過後:2019年は8.9%
延滞税の税率は、特例基準割合というものを使って計算することになっており、この特例基準割合は年によって異なるため、延滞税の税率もそれに応じて変動します。

まとめ

源泉所得税の納付遅れには、基本的に10%のペナルティが上乗せされてしまいます。

納付漏れに気づいたときはなるべく早く納付することが重要です。

また、税務署から言われる前に自主的に納付すれば、半分の5%になりますので、税務署から督促がないからといって放置してしまわないよう、早急に支払いを済ませることが重要です。

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