日常生活を送る中では、ついつい嫌なことや不安を感じてしまうことがあります。そんな時に役立つのがマインドフルネスです。
マインドフルネスとは?
「今」に集中する
マインドフルネスとは、いま現在起こっている内面的な経験や身体の感覚に注意を向けることであり、認知行動療法のひとつとして発展した心理学的技法です。ストレスの緩和や集中力向上など、さまざまな効果があると言われています。
おおもとは瞑想や禅に根ざした治療法ですが、宗教的な要素を排除した心のトレーニング法として確立していることが特徴です。
最近では大企業の研修やプロスポーツ選手のメンタルトレーニングなどに取り入れられ注目を浴びています。
マインドフルネスはうつや不安症に対する治療効果だけでなく、健康な人に対しても集中力や生活の質を高める効果があります。プレッシャーのかかるビジネスの現場で活躍する人にとってもメリットがあります。
脳は無意識に疲労する
脳で使われるエネルギーの60~80%を消費するのは、「デフォルト・モード・ネットワーク」と呼ばれる状態の時です。
デフォルト・モード・ネットワークとは、思考や関心や注意を伴わない、ぼんやりと安静状態にある脳が示す神経活動です。車のアイドリングのような状態、と表現されることがあります。
脳は常に動いていようとする臓器であり、意識的な活動をしていない時でも勝手に疲れていってしまうことを意味します。
マインドフルネスでは意識的にデフォルト・モード・ネットワークの過剰活動を抑えることでエネルギー消費量を抑制し、脳を休ませることにつながります。
マインドフルネスな状態
マインドフルネスな状態とは、感情に巻き込まれることなく、内面的な不安や自分の困りごとを客観的に見ることができる状態であり、過去の出来事や未来の出来事に心が囚われた状態から解放され、問題解決につながる行動や思考ができるようになる状態です。
ネガティブな感情もポジティブな感情もどちらも客観的にとらえ、むしろその感情を味わっている状態と言えます。
マインドフルネスの効果
脳科学や医学的な観点から世界で多くの研究が行われており、以下のような効果が期待されています。
【マインドフルネスの効果】
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マインドフルネスの実践方法
呼吸を観察
マインドフルネスは、肩の力を抜きリラックスした姿勢で目を閉じ、自分の自然な呼吸に注意を向け、評価をせず、それをただ観察するというシンプルな方法で行います。
呼吸に伴うお腹の動きに着目するのも効果的です。
空気が鼻を通る感覚や、胸から腹に入り、出て行く感覚に注意を払います。
雑念に囚われない
呼吸を観察していると途中でいろいろな考えが脈絡もなく次々と頭に浮かんできますが、その都度呼吸に注意を戻すようにします。何度も何度もこのプロセスを繰り返します。
頭に浮かんでくる雑念に対処しつつ、いかにリラックス状態を継続するかがポイントです。
最初はあまり上手くできないかもしれませんが、決して無理をしない範囲で行い、何度も繰り返していくと徐々に変化が起きて来ることを実感できます。
注:現在医療機関で治療中の場合は自身で実施せず主治医の判断に従う必要があります。