NZドルの特徴
NZドルはその名の通りニュージーランドで使用されている通貨です。NZD、NZ$などと略されることもあり、キウイという愛称で呼ばれることもあります。
一般的にオーストラリアドルとの連動性が高いと言われており、両通貨の過去の推移を見ても同じような動きをしています。
日本では、スワップポイントを狙った投資法に用いられる通貨として人気があります。
ニュージーランドの基礎データ
ニュージーランドについての基本的なデータは以下の通りです。
人口 | 約476万人 |
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面積 | 約27万平方キロメートル |
首都 | ウェリントン(人口約20万人) |
公用語 | 英語、マオリ語 |
産業 | 乳製品、肉類、木材・木製品、果実類、水産品、ワイン、機械類、羊毛類で輸出の6~7割程度を占める |
主要貿易相手国 | 中国(約20%) オーストラリア(約12%~17%) アメリカ(約11%) |
GDP | 1,820億米ドル(日本の約1/27) |
一人当たりGDP | 38,345米ドル(日本と同程度) |
人口も少なく、面積も小さな国であり、「人間の数よりも羊の数のほうが多い」と言われることもあります。
経済規模としては大きくはありませんが、国家の財政は比較的健全で治安もよく、学生のホームステイ先や語学留学先としても人気があります。
NZの政策金利の推移
ニュージーランドの政策金利は下記のように推移しています。
2008年には8%を超えており高金利通貨の代表格として人気がありましたが、その後リーマンショックを経て大きく低下し、現在は1.75%となっています。同じく高金利通貨と言われているトルコリラや南アフリカランドと比較すると低い水準です。
ただ、先進国の中では最も高金利な通貨です。
NZの失業率の推移
ニュージーランドの失業率は下記のように推移しています。
ニュージーランド統計局が四半期ごとに発表します。
2008年のリーマンショック後には7%を超える水準まで悪化しましたが、2013年頃から改善傾向にあり、現在もこのトレンドが継続しています。
ニュージーランドの労働者は隣国であるオーストラリアに出稼ぎに出ている人も多いという特徴があります。そのため、オーストラリアの景気の動向がニュージーランドの失業率に影響します。
スワップポイント狙いにおすすめの通貨
スワップポイントはFX取引における大きな魅力のひとつです。スワップポイントとは、金利の異なる2国間の通貨の売買によって発生する金利差のことで、ポジションの持ち方によって受け取れる利息のようなものです。
ニュージーランドドルは、政策金利が低下してしまったとは言えまだまだ日本の金利に比べると高い状態が続いています。
したがって、金利の低い日本円を売り、金利の高いNZドルを買う、というポジションをとることでプラスのスワップポイントが発生し、これを毎日受け取ることができます。
もちろん、為替変動のリスクがありますので円高になった場合には元本割れを起こすこともあります。しかし、通貨は株式などと異なりその国がなくならない限りゼロになることはなく、長期的に見ればいずれ回復することが多いです。日々の値動きに惑わされず、長期的な視点でポジションを管理することが大切です。
NZドルの危険性
NZドルは通貨の流通量が少ないという特徴があります。したがって、ちょっとした政策の変更でも大きく上昇したり下落したりすることがあり、場合によっては大きな損失を被ることもあります。
高金利通貨ですので政策金利の動向に最も注意を払う必要があり、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)の会見の内容によって大きく値が動くことが想定されます。
政策の変更以外にも、大口の機関投資家によるまとまった注文が入った場合などにも値が大きく動くことがあるため、リスク管理を徹底することが重要です。
また、地理的に近いオーストラリアと同一視されることが多いですが、決定的な違いはオーストラリアが資源国なのに対し、ニュージーランドは農業・酪農国ということです。したがって、農作物や乳製品の価格変動により経済が大きな影響を受けることに留意が必要です。
さらに、米ドルなどの他のメジャー通貨に比べて情報量が少ないという点にも注意が必要です。NZドルの取引を行う場合は、取引業者がどの程度情報を提供しているかをよく確認してから行うようにしましょう。
そのほか、ニュージーランドの経済指標は日本時間の早朝に発表されることが多いということも頭に入れておく必要があります。