退職してから転職活動する場合に貯金はいくら必要?

転職をする場合、前の会社を辞める前に転職活動をして新しい就職先を決めてしまえば無職の期間が生じないため、お金の心配をしなくてすみます。しかし、いったん会社を退職し、それから転職活動をする場合もあるでしょう。新しい会社に就職するまでは無職となるため、基本的には貯金を切り崩しながらの生活になります。それでは、退職前にいくら貯金があれば安心なのでしょうか。

スポンサーリンク
01 レクタングル (大)

退職後に必要となるお金

お金

退職して無職になった場合、生活費はもちろん、それ以外にもさまざまなことでお金が必要になります。

1.年金

年金については、会社員であれば厚生年金に加入し、保険料は毎月の給料から天引きされて会社がまとめて納付してくれます。

一方、退職して無職になると国民年金に加入することになります。働いていないからといって保険料を納付しなくてよいわけではありません。手続きなどの詳細については以下の記事を参考にしてみてください。

日本では「国民皆年金」が原則です。したがって、日本国民であれば全員が何らかの公的年金制度に加入しなければなりません。全員で保険料を納め、高齢...

2018年度の国民年金の保険料は、月16,340円です。なにも収入がないことを考えると、やや負担が重く感じます。ただ、将来受け取る年金のことを考えれば、払わないと老後に後悔することになってしまいます。

2.住民税

住民税は、一般的に、市町村民税(特別区民税)と道府県民税(都民税)をあわせたものを言います。

住民税は、前年の所得(前年の1月1日から12月31日までの1年間に獲得した所得)に応じて税額が決まる仕組みですので、実際の納付は約1年後(翌年の6月)から始まります。入社1年目に住民税がかからないように感じるのはそのためです。

退職すると住民税を自分で納めることになります。

税額は退職前の収入に応じて計算されますので、退職直前に収入が高かった場合は、辞めて無職になった後に多額の住民税を納めることが必要になります。ただでさえ収入がない状態で住民税を納めなければならないのは大きな負担に感じます。

納付期限は年4回で、それぞれの期限は以下の通りです。

納付の期限
1期 6月末
2期 8月末
3期 10月末
4期 1月末

納付方法は、口座振替による引き落とし・納付書による支払い・ペイジーなどで納めることができます。

3.健康保険料

健康保険についても、これまで会社が給与から天引きしていたものを、退職後は自分で納めることになります。

保険料は、会社で加入していた健康保険を任意継続するか、住んでいる市区町村の国民健康保険に加入して納めることになります。

任意継続の場合、会社員時代は保険料を会社が半分負担してくれていました(会社と従業員で折半)。しかし、退職すると当然会社の負担はなくなり、全額が自己負担となります。単純計算でこれまでの2倍の額を納める必要が生じます。

国民健康保険の場合は住んでいる市区町村によって金額が異なりますが、全額が自己負担となることから、一般的には会社員時代より高くなってしまいます。

任意継続・国民健康保険のどちらを選ぶかについては、こちらの記事で解説しています。

退職すると、これまで勤務先の会社で加入していた健康保険の資格がなくなるため、新たに加入するための手続きを行うことが必要です。 手続きは以下...

貯金はいくらあれば安心か

金の貯金箱

退職して無職になる場合、多くは失業手当をもらうことになります。失業手当は、転職活動をする間の経済的な負担を減らしてくれるため、とても助かります。

しかし、失業手当は会社を辞めてすぐにもらえるとは限りません。特に自己都合退職の場合は、受給開始まで約3ヶ月ほど待たされることになります。そのため、退職前にある程度貯金をためておく必要があります。

毎月の支出を漏れなくシミュレーションする

いくら貯金が必要になるか検討する際は、毎月、いくらぐらいの出費があるかを漏れなくシミュレーションすることが重要です。例えば、主な支出としては以下のものがあります。

  • 家賃
  • 食費
  • 水道光熱費(電気、ガス、水道)
  • 通信費(携帯、Wi-Fi、自宅の回線、プロバイダ料金)
  • 日用品、日用雑貨
  • 衣料品代
  • 交通費
  • 薬、病院、通院のための費用
  • 自動車、バイクの維持費
  • 奨学金の返済
  • 国民年金保険料
  • 住民税
  • 健康保険料

最低限、生活していくだけでも結構なお金がかかることが分かります。特に固定費はすぐには見直しできないので、慎重に検討することがポイントです。いま払っている固定費を漏れなくリストアップしましょう。

これ以外にも、実際には交際費や予期せぬ出費、ローンの返済がある場合や娯楽や趣味に使うお金などもかかる場合があります。

就職までの期間はどれくらいか

毎月の支出をシミュレーションしたら、次に再就職するまでの期間(厳密には、再就職して最初の給料が振り込まれるまでの期間)をどれくらいに想定するか、を考えます。

失業保険をきちんと受け取れることを見越せば、平均的には6ヶ月分くらいの貯金があれば生活していけるでしょう。目安として、20代の独身男性であれば、だいたい100万円を最低ラインと考えればよいかもしれません。

もっと安心できる水準としては、1年分の貯金を目標にすると余裕をもって転職活動を進めることができます。

まとめ

退職後に転職活動をする場合は、これまでの仕事のストレスからは解放される反面、転職活動の悩みやお金も問題が出てきます。

退職してから困るようなことがなく、安心して転職活動に集中できるよう、しっかりとお金のシミュレーションをし、退職前から余裕をもって計画的に貯金をしておきましょう。

スポンサーリンク
01 レクタングル (大)
01 レクタングル (大)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする