個人事業税とは?なぜ必要でいついくら払えばよいか計算方法を解説

個人事業主・フリーランスとして働く人にかかる税金として、個人事業税があります。

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個人事業税とは?

個人事業税

個人事業税とは、個人で事業を行う人にかかってくる地方税のひとつです。

地方税法で決められた業種(法定業種と言います)を営んでいる場合に納める必要が生じます。

個人事業税はなぜ必要か

個人で事業を営む場合、確定申告によって所得税や住民税を納めることになっていますが、これらに加えて、個人として活動する際にはさまざまな行政サービスを受けていることから、その行政経費の一部を負担してもらうという趣旨で、個人事業税が設けられています。

個人事業を行う際に、直接的に行政サービスの恩恵を受けているという感覚はないかもしれませんが、間接的には、道路や公共設備が整備されているからこそ収益活動が続けられる、ということから、これらの維持・管理の経費をまかなうために必要とされています。

個人事業税の税率

個人事業税の税率は、業種によって、3%~5%と定められています。

個人事業税率3%の業種

個人事業税の税率が3%の業種は、次の通りです。

  • あんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復その他の医業に類する事業
  • 装蹄師業

個人事業税率4%の業種

個人事業税の税率が4%の業種は、次の通りです。

  • 畜産業
  • 水産業
  • 薪炭製造業

個人事業税率5%の業種

個人事業税の税率が5%の業種は、非常に多くの業種があります。

まず「第1種事業」と呼ばれる業種として、下記の37業種があります。

  • 物品販売業
  • 保険業
  • 金銭貸付業
  • 物品貸付業
  • 不動産貸付業
  • 駐車場業
  • 製造業
  • 電気供給業
  • 土石採取業
  • 電気通信事業
  • 運送業
  • 運送取扱業
  • 船舶ていけい場業
  • 倉庫業
  • 請負業
  • 印刷業
  • 出版業
  • 写真業
  • 席貸業
  • 旅館業
  • 料理店業
  • 飲食店業
  • 周旋業
  • 代理業
  • 仲立業
  • 問屋業
  • 両替業
  • 公衆浴場業
  • 演劇興行業
  • 遊技場業
  • 遊覧所業
  • 商品取引業
  • 不動産売買業
  • 広告業
  • 興信所業
  • 案内業
  • 冠婚葬祭業

次に「第3種事業」として、以下の28業種があります。

  • 医業
  • 歯科医業
  • 薬剤師業
  • 獣医業
  • 弁護士業
  • 司法書士業
  • 行政書士業
  • 公証人業
  • 弁理士業
  • 税理士業
  • 公認会計士業
  • 計理士業
  • 社会保険労務士業
  • コンサルタント業
  • 設計監督者業
  • 不動産鑑定業
  • デザイン業
  • 諸芸師匠業
  • 理容業
  • 美容業
  • クリーニング業
  • 公衆浴場業
  • 歯科衛生士業
  • 歯科技工士業
  • 測量士業
  • 土地家屋調査士業
  • 海事代理士業
  • 印刷製版業

一覧にしてみると分かる通り、ほとんどの業種が何らかの区分に当てはまることになります。

一方で、上記に当てはまらない職業には個人事業税は課税されません。具体的には、プロスポーツ選手、作曲家、ライター、文筆業、芸能人、システムエンジニア、プログラマーなどが代表例です。ただし、事業の実態によってはこれらの職業でも課税対象と判断されることもありますし、自治体によって判断が分かれているケースもあります。

税額がいくらになるかの計算方法

個人事業税の税額は、所得税の確定申告で計算した「事業所得・不動産所得」をスタートとし、これにいくつかの調整を行って求めます。

  •   事業所得・不動産所得
  • + 所得税法上の事業専従者給与の額
  • - 個人事業税の事業専従者給与の額
  • + 青色申告特別控除の額
  • - 各種控除

上記の計算式で求めた金額に、税率(業種に応じて3%~5%)を乗じます。

特徴的なのは、青色申告特別控除を足し戻すことと、各種控除として事業主控除があることです。

青色申告特別控除を足し戻す、ということは要するに、青色申告特別控除「前」の課税所得ということであり、これは総収入金額から必要経費を引いた額、ということになります。

事業主控除とは?

事業主控除とは、個人事業税の計算に特有の控除で、年間290万円を所得から控除できる制度です。

なお、事業年度が1年未満の場合は290万円を月割りした額となります(例えば、6ヵ月しか営業していなかった場合は、半分の145万円となります)。

1月に満たない端数が生じるときは、1月として計算します。

事業主控除が290万円認められていますので、売上から経費を引いた額が290万円よりも少ない場合には、個人事業税は課税されません。

個人事業税の納付期限

個人事業税は、所得税の確定申告をした人なら、改めて個人事業税単独での申告する必要がなく、納税額が発生すれば各自治体から税額が通知されます。

各自治体が、確定申告の内容をもとに独自に計算しているためです。

個人事業税の納付期限は、第1期と第2期の2回があり、第1期は8月31日、第2期は11月30日です。

8月くらいに、住所地の都道府県税事務所から納税通知書が送られてくるため、これにしたがって納税します。

納税方法は、例えば東京都の場合、都税事務所の窓口や支庁の窓口のほか、金融機関やコンビニでも払えます。また、クレジットカードでの納付や口座振替にも対応しています。

まとめ

フリーランスとして事業をする際には、いろいろな税金がかかってきます。

その中で個人事業税はマイナーなため忘れられがちな税金ですが、事業が順調で利益がある程度出ているときには、納税が必要なものとなります。

個人事業税のポイントは、290万円という事業主控除があることですので、所得(売上-経費)が290万円以上出ている場合は、自治体からの納付書にしたがって期日までに支払うことが必要です。

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