特別法人事業税は平成31年度(令和元年度)の税制改正により新しく創設された税です。
特別法人事業税の創設
地方における税の偏りを是正するために、法人事業税の一部を分離する形で「特別法人事業税」が創設されました。
特別法人事業税は、2019(令和元)年10月1日以後に開始する事業年度から適用されます。
特別法人事業税が課される法人は、法人事業税(所得割・収入割)の納税義務がある法人です。
納付にあたっては、法人事業税とあわせて都道府県に申告することになりますが、特別法人事業税は国税のため、都道府県に払い込まれたものは全額が国に払い込まれます。
そのうえで、国から都道府県に対し、原則として人口を基準に配分される形をとります。
企業の経理処理においては、特別法人事業税は法人税の所得の計算上損金の額に算入することができます。
特別法人事業税の税率
特別法人事業税の税率は次のとおりです。
【基準法人所得割額の場合】
- 外形標準課税法人・特別法人以外の法人:37%
- 外形標準課税法人:260%
- 特別法人:34.5%
【基準法人収入割額の場合】
- 30%
なお、上記の税率は、事業税の「所得割額(または収入割額)」に対して課されます。
所得割額(または収入割額)×上記の税率
地方法人特別税は廃止
以前から事業税のひとつとして地方法人特別税が課されていましたが、この地方法人特別税は廃止され、法人事業税に復元される予定でした。
その後、平成31年度(令和元年度)の税制改正により、復元後の法人事業税の所得割及び収入割の税率を引き下げるとともに、そこに新たに特別法人事業税を課す、という改正が行われています。
そのため、特別法人事業税が新しく課されることになっても、地方法人特別税が廃止されたことによる減税分がありますので、このふたつの税の改正により、改正の前後で全体の税負担に変動は生じません。