TOEICにおけるリスニングの重要性
TOEICは、リスニングセクションとリーディングセクションの2つのセクションに分かれており、各100問ずつ、合計200問で構成されています。
それぞれのセクションの最低スコアは5点、最高スコアは495点ですので、合計得点は最低が10点、最高が990点となります。
リスニングセクションとリーディングセクションはちょうど半分ずつですので、リスニングが苦手だからと言って避けることは現実的ではありません。
スコアアップを目指すためにはしっかりと勉強時間を確保し、適切な対策をする必要があります。
「聞き流し」は、ほとんど効果がない
英語をシャワーのように浴び、大量に聞き流しているうちに急に英語が聞き取れる、といったことが言われることがありますが、実際これだけで英語が聞き取れるようになることはほとんどなく、特にTOEICの勉強に関しては効率性の観点からおすすめできません。
もちろん、聞かないよりは聞いたほうがよいのは間違いないので、効果がゼロとは言いません。
あえて聞き流しのメリットを挙げるとすると、労力をかけることなく、英語の音に慣れることができる、という点です。
必ずしも机に向かって勉強することなく、移動中や家事をしながら、というふうに手軽に実践することができます。
しかし、意味の分からない英語を聞き流していても、基本的にそれは雑音でしかありません。
無限に時間があるなら別ですが、限られた時間の中で効率的に成果を出すためには、別の勉強法を選択したほうが賢明です。
ディクテーション
ディクテーションとは、耳で聞き取った英語を書き取る、という勉強法です。
中学や高校の授業でもよく行われているため、学生時代にやったことがある人も多いと思います。
ディクテーションは根気のいる作業です。何度も何度も同じ英語を聞き続け、書き取れるようになるまで繰り返すのは大きな苦痛を伴います。
特に最初のうちは、英語の音それ自体が聞き取れなかったり、単語の切れ目が分からず何を言っているのかさっぱり、ということもあります。
その代わり効果も大きい方法です。
TOEICでは、応答問題(Part 2)のように、文章の最初の一語を聞き取ることが重要な問題がありますので(例:Where~、When~)、このような問題に対しては非常に有効な対策ですし、会話問題でも細部まで聞き取れるようになります。
音読、できれば、シャドーイング
音読はリスニングのスコアアップに適しています。
音読する際に重要なことは、英文の意味を理解してから音読することと、正しい発音で音読することです。
音読する英文を用意したら、まず分からない単語を事前に調べて理解しておく必要があります。
また、声に出して読めないものを聞き取ることは不可能です。したがって、耳で聞いたとおりに正確に発音するよう心がけることが大切です。
シャドーイングとは、聞こえてきた英語を即座にそのまま発音する、という勉強法です。聞こえてきた英文のすぐ後ろを影(shadow)のように追いかけることからシャドーイングと呼ばれています。
音読より難易度は上がりますが、ネイティブ・スピーカーが話す「正しい発音」を上手に再現し、そのスピードについて行くことができるようになるとスコアもぐんぐん上がっていきます。
リスニングであっても読解力は重要
リスニングセクションのスコアアップに欠かせないものが、読解力です。
読解力というとリーディングセクションのことかと思われがちですが、読んでわからない文章は聞いてもわかりません。
したがって、基本的な文法の知識をつけたうえで読解問題に取り組み、並行して語彙力も上げていく、ということが重要となります。
英語を英語のまま理解する
「速い英語だと聞き取れない」という場合、英語を英語のまま理解していないことが原因である可能性があります。
つまり、英語を聞きながらその英文を日本語に訳そうとしている場合です。
英語を英語のまま理解するためには、英文を意味の固まりで捉え、この固まりごとに意味をイメージする、という練習をします。
なお、これができるようになると、リスニングだけでなくリーディングセクションで英文を読むスピードも格段に上がります。