PCR検査費用が医療費控除の対象になる場合とならない場合

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医療費控除の対象となる医療費

PCR検査

まず、PCR検査費用が医療費控除の対象になるかどうかを確認する前に、一般的な医療費控除の対象を確認します。

一般的な医療費控除の対象は、次のとおりです。

  • 医師又は歯科医師による診療又は治療の対価
  • 治療又は療養に必要な医薬品の購入の対価 など

PCR検査費用が医療費控除の対象になるかどうかについては、特別な規程が設けられているわけではありません。つまり、あくまでも上記の定義に該当するかどうかで判断することになります。

医師等の判断によりPCR検査を受けた場合は「対象」

PCR検査を、自分の判断ではなく、医師等の判断により受けた場合は、医療費控除の対象になります

一般的な病気の治療などと同じで、医師等の判断で検査を受けた場合は、前述の定義に合致するためです。

自己の判断によりPCR検査を受けた場合は「対象外」

PCR検査は、自らの判断で受けることも出来るようになっています。つまり、医師等から指示を受けた訳ではないものの、自分から感染の有無を確かめる目的で自主的に検査を受ける場合です。

この場合、前述の定義に合致しませんので、医療費控除の対象とはなりません

自主的なPCR検査で陽性となった場合の例外

自主的に受けたPCR検査の費用は、基本的には医療費控除の対象とはなりませんが、例外もあります。

それは、自主的な検査の結果、陽性が判明し、引き続き治療を行った場合です。この場合には、その検査は治療に先立って行われる診察と同様に考えることができますので、その場合のPCR検査費用については、医療費控除の対象とすることができます。

この取り扱いは、人間ドックや健康診断の費用の場合と似ています。健康診断等の費用は、病気の治療ではないことから原則として医療費控除の対象とはなりません。しかし、健康診断で重大な疾病が発見され、かつ、その診断等に引き続きその疾病の治療を行った場合には、その健康診断等は治療に先立って行われる診察と同様に考えることができますので、医療費控除の対象になります。

医療費控除は確定申告が必要

医療費控除の適用を受けるためには、確定申告を行う必要があります。

サラリーマンなどの場合、確定申告を行うケースはそれほど多くないですが、それは、会社が代わりに「年末調整」という手続きを実施してくれているからです。年末調整を行うことにより正しい所得税額が計算されますので、改めて確定申告を行う必要がないということです。

しかし、年末調整で対応することができないものもあります。その代表が、医療費控除です。

サラリーマンなどですでに年末調整が終わっている場合であっても、医療費控除により税金の還付を受けたい場合は、自分で確定申告を行わなければなりません。

医療費控除の明細書の添付が必要

確定申告で医療費控除の適用を受けるためには、「医療費控除の明細書」を作成して確定申告書に添付する必要があります。

「医療費控除の明細書」は、昔は作成していなかった人もいるかもしれません。それは、令和元年分までの確定申告に関しては、この「医療費控除の明細書」を確定申告書に添付せず、領収書を確定申告書に添付してもよいことになっていたからです。

ところが、令和2年分以降、この取り扱いは廃止されています。そのため、昔のように、医療費の領収書を確定申告書に添付して提出することは出来ません。令和元年分までの医療費控除の手続きと異なりますので、注意が必要です。

「令和2年分の確定申告」とは、令和2年(2020年)1月1日から12月31日までの1年間の所得を申告するものです。つまり、令和3年(2021年)3月が提出期限となる確定申告を指します。

まとめ

PCR検査費用は、一般的な病気の治療費と同じように、医師等の判断により受けた場合は医療費控除として申告することができます。

医療費控除を行うためには確定申告が必須となりますが、令和2年分からは、昔のように医療費の領収書を添付して申告することはできず、「医療費控除の明細書」に記載して申告する、という変更があることに留意が必要です。

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