【簿記2級】クレジット売掛金の仕訳はこれだけ覚えればOK

日商簿記検定2級の出題範囲の改定により、平成28年度の試験から「クレジット売掛金」という勘定科目が登場するようになりました。

ここでは、日商簿記検定2級の受験者向けに、クレジット売掛金の意味と仕訳を解説します。

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クレジット売掛金とは

クレジットカード

クレジット売掛金とは、クレジットカードの取引によって生じた売掛債権のことを指します。

昔、クレジットカードがそれほど普及していなかった頃は問題になりませんでしたが、最近では個人でも企業でも、当たり前のようにクレジットカードを使用しています。

そのような時代の変化を受けて、簿記2級の範囲に新しく「クレジット売掛金」が追加されることとなりました。

<具体例>

例えば、スーパーマーケットで買い物をするケースを考えてみます。

最近は、レジでの支払いをクレジットカードで行う客も多くなっています。

スーパーの経理をする立場であれば、顧客がレジでお会計をした際に売上(貸方)を認識しますが、顧客が現金ではなくクレジットカードで支払いを行った場合、スーパー側はまだ現金を受け取っていないため借方を現金預金で計上することはできません。

スーパーは、後日、顧客が利用したクレジットカードの発行会社から代金を回収することになります。

このように、代金を回収するまでの間はクレジットカード会社に対する債権(売掛金)が存在することになるため、この債権を表す勘定科目が「クレジット売掛金」です。

クレジット売掛金の仕訳

勘定科目と手数料がポイント

クレジット売掛金の仕訳は、一般的な売上計上の仕訳「(借)売掛金××/(貸)売上××」とほとんど同じですが、通常の売掛金と区別するために、売掛金の前に「クレジット」を付けてクレジット売掛金という勘定科目を使います。

また、クレジットカード決済には手数料がかかります。

手数料は、一般的には販売企業(上の例だとスーパーマーケット)が負担するため、損益計算書に支払手数料という勘定科目を用いて費用計上します。

手数料を計上することで、クレジット売掛金の金額は手数料分だけ少なくなります。つまり、売り上げた金額から手数料分が差し引かれた額しか現金で回収できないことになります。これは、クレジットカード会社が販売企業に代わって「顧客から代金を回収するリスクを負ってくれていることの対価」と考えることができます。もし、顧客が代金を支払えなくなったとしても、その損失はクレジットカード会社が負うことになり、商品を販売した企業にとってはクレジットカード会社から確実にお金を回収することができる、ということです。

簿記2級で覚えるべき仕訳はこれだけ

簿記2級において出題される仕訳パターンは、下記の1種類だけと考えて問題ありません。

このパターンだけ覚えておけば、簿記2級のクレジット売掛金の問題は対応できます。

借方 金額 貸方 金額
クレジット売掛金 ××× 売上 ×××
支払手数料 ×××

具体的な問題で仕訳を確認

具体的な数値例を用いて、問題と回答を確認していきます。

【問題】

商品10,000円をクレジットカードの支払いにより売り上げた。クレジットカード会社への手数料は売上代金の3%とし、商品を販売したときに計上する。

【回答】

①商品販売時の仕訳

借方 金額 貸方 金額
クレジット売掛金 9,700 売上 10,000
支払手数料 300

②代金回収時の仕訳

借方 金額 貸方 金額
現金預金 9,700 クレジット売掛金 9,700
試験問題では、クレジットカード会社のことを「信販会社」と表現することもあります。

クレジット売掛金のまとめ

クレジットカードと書類

クレジット売掛金は、これまでの簿記検定試験では出題されてこなかった論点ですので聞き慣れないかもしれませんが、内容を理解してしまえばとても簡単です。

仕訳のパターンも限られているため、ここで紹介したものだけ覚えておけばOKです。

最後にポイントを再度確認しておきます。

<クレジット売掛金の問題を解くポイント>

・売上代金は、後日、クレジットカード会社から回収する。

・売上計上の際に、手数料が差し引かれる。

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