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交際費として損金に算入できる経費の種類と上限の計算方法

交際費に関連する税制は、政権与党の方針や経済状況に応じて頻繁に改正が行われています。平成30年度税制改正を踏まえ、交際費等の損金算入の上限とその計算方法について解説します。

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交際費の基礎知識

まず、法人における交際費の基礎知識を確認します。

交際費とは

交際費とは、得意先や仕入先との取引を円滑にする目的で接待等をするためにかかった経費です。

国税庁のホームページには以下のように記載されています。

交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用をいいます。

国税庁ホームページ:交際費等の範囲と損金不算入額の計算
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5265.htm

具体的には以下のような経費が交際費となります。

  • 得意先や仕入先への慶弔のために支出したもの
  • 下請けや代理店となるための運動費用
  • 事業に関係のある取引先等の人を旅行や観劇に招待する費用
  • 取引先の従業員に対して支払った取引の謝礼
  • 1人当たり5,000円超の飲食費

上記はあくまで一例です。税務上の交際費に該当するかどうかは、勘定科目で判断するのではなく、実質で判断します。そのため、例えば販売促進費や売上割戻、会議費等として会計処理をしたとしても、実質的に接待であるものは税務上は交際費と判断されます。

債務確定主義(発生主義)で認識

交際費は「接待等の行為があった時点」で認識することとされています。

したがって、交際費の額が期末時点で未払いであったとしても、接待行為自体がその年度に行われたのであれば、交際費としてその年度に認識しなければなりません。会社の損益として、いつの年度に費用計上したかどうかは関係ありません。

交際費の損金算入の上限

交際費は、円滑に事業を行っていくためには一定程度必要と考えられるものの、無駄な経費を使って企業資本が毀損されるのを防ぐ目的や健全な取引慣行のために、損金に算入できる額に上限が設けられています。

ここからは、平成30年度税制改正により改正が行われた事項をもとに、平成32年3月31日までの取り扱いを記載します。

大法人(期末資本金1億円超)の場合

大法人とは、期末の資本金の額又は出資金の額が1億円超の法人です。

大法人に分類される場合、平成26年3月31日以前に開始する事業年度では、全額が損金不算入でした。

一方、平成26年4月1日以後に開始する事業年度においては、交際費のうちの一部は損金に算入できるよう改正されています。

損金算入限度=接待飲食費の額×50%

昔は、一切、損金にならなかったものが、接待飲食費であれば50%まで経費にできることになっています。これは、消費税の増税により経済が低迷することへの対策として実施されたものです。大企業にとっては非常に有利な改正だったといえます。

接待飲食費として認められるためには、飲食等のあった日時・飲食等に参加した取引先等の氏名または名称及びその関係などを帳簿書類に記載しておくことが求められます。接待飲食費に該当するものは、次のような費用です(ただし社内飲食費は除く)。

  • 自己の従業員等が得意先等を接待して飲食するための「飲食代」
  • 飲食等のために支払うテーブルチャージ料やサービス料等
  • 飲食等のために支払う会場費
  • 得意先等の業務の遂行や行事の開催に際して、弁当の差入れを行うための「弁当代」
  • 飲食店等での飲食後、その飲食店等で提供されている飲食物の持ち帰りに要する「お土産代」

なお、接待飲食費以外の交際費については、従前から変わらず、経費として損金に算入できる額はありません。

中小法人(期末資本金1億円以下)の場合

中小法人とは、期末の資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人です。

中小法人の場合、段階的に損金の上限が引き上げられています。平成26年4月1日以後に開始する事業年度においては、以下のいずれか有利なほうを年度ごとに選択できることになっています。

損金算入限度=接待飲食費の額×50%または交際費等の800万円

中小法人については、一般的に新規顧客の開拓や販売促進のための手段が限られているため交際費の活用は経営に不可欠と考えられていることから、大法人よりも手厚い制度設計になっています。

交際費等の損金算入額の計算は、申告書に添付する別表15(交際費等の損金算入に関する明細書)において行います。計算の結果、有利なほうを選択して申告を行えばよいことになります。

なお、資本金5億円以上の法人により100%支配されている場合(大企業の完全子会社になっている場合)は、中小法人であっても上記の限度額の計算は適用されません(グループ法人税制)。

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