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臨時償却と過年度遡及会計基準の関係

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臨時償却とは

臨時償却とは、耐用年数の変更に関する影響額を過去に遡って反映させるための方法です。

例えば、ある固定資産について、取得時に想定していた耐用年数よりも短い期間しか使用しないということが明らかになった時点で、当初から短縮された期間で減価償却を行った場合と同じ結果になるように帳簿価額を算出し、その帳簿価額まで一時に減価償却を行う、というものです。

このような方法は、「キャッチアップ方式」と呼ばれています。

臨時償却と過年度遡及会計基準との関係

減価償却を行う場合の耐用年数は「会計上の見積り」に該当します。

「会計上の見積り」は次のように定義されています。

「会計上の見積り」とは、資産及び負債や収益及び費用等の額に不確実性がある場合において、財務諸表作成時に入手可能な情報に基づいて、その合理的な金額を算出することをいう。

出典:企業会計基準委員会「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」

過年度遡及会計基準においては、会計上の見積りの変更は過年度に遡及して適用することなく、将来にわたってのみその影響を反映させる、という取り扱いが定められています。

会計上の見積りの変更に関する原則的な取扱い

会計上の見積りの変更は、当該変更が変更期間のみに影響する場合には、当該変更期間に会計処理を行い、当該変更が将来の期間にも影響する場合には、将来にわたり会計処理を行う。

出典:企業会計基準委員会「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」

これは、企業が会計上の見積りを行う場合、その見積りを行うときに入手可能であった情報に基づき最善の見積りを行った結果であるため、その後の見積りの変更はその後に入手された追加的な情報によってもたらされた、と考えるためです。

したがって、その影響は過去に遡って適用させるのではなく、将来に向かって影響額を反映させるという考え方になります。

そのため、過去に遡って償却を行う処理である臨時償却は過年度遡及会計基準の考え方と整合しないため廃止されることになりました。

当期以降の費用配分に影響させる方法を、「プロスペクティブ方式」と呼びます。

なお、過去に臨時償却を行っていた場合は当時の処理自体は有効であり、過年度遡及会計基準の適用後から行われる会計処理について臨時償却が認められない、という取り扱いにになります。

なお、見積りの変更が「追加的な情報」によって行われるものではなく、過去の見積りの段階で入手可能であった情報を適切に使用しなかったことによるものである場合は、過去の見積りが最善の見積りでなかったことになりますので、過去の誤謬に該当することとなり、原則として過去に遡及して訂正(修正再表示等)を行うことになります。
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