個人事業主やフリーランスとして働く場合、1年間の事業の結果を確定申告という形で取りまとめ、所得の額に応じて納税をすることになります。
確定申告には、青色申告と白色申告の2種類の方法がありますが、メリットを考えると青色申告を選択するほうが有利です。
青色申告を選択したい場合、「青色申告承認申請書」という書類を税務署に提出する必要があります。
青色申告承認申請書の書き方
青色申告承認申請書は、国税庁のホームページ上にPDFファイルで提供されています。
ここからダウンロードして内容を記入していきます。
申請書は、紙1枚に収まる非常に簡単な書類ですが、青色申告のメリットを最大限に受けるためには、いくつか書き方のポイントがあります。
書き方のポイント①「複式簿記」
一つ目のポイントは、「6 その他参考事項」の「(1)簿記方式(青色申告のための簿記の方法のうち、該当するものを選択してください。)」の箇所です。
この項目の選択肢としては、複式簿記・簡易簿記・その他の3種類がありますが、このうちの複式簿記を選択します。
複式簿記を選択する理由は、青色申告を行う上で大きなメリットである青色申告特別控除(65万円)を受けられるようにするためです。
青色申告特別控除とは、事業で稼いだ所得から、最大で65万円を控除することができる取り扱いです。
この青色申告特別控除の適用を受ける際、複式簿記によって記帳を行わないと、所得から差し引くことができる控除額が10万円となってしまいますので、その差は55万円と非常に大きくなります。
なお、青色申告特別控除として65万円の控除を受けるための要件は、以下のように規定されています。
不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいる青色申告者で、これらの所得に係る取引を正規の簿記の原則、(一般的には複式簿記)により記帳し、その記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付して法定申告期限内に提出している場合
出典:国税庁HP:No.2070 青色申告制度 青色申告の特典
書き方のポイント②「備付帳簿名」
二つ目のポイントは、「6 その他参考事項」の「(2)備付帳簿名(青色申告のため備付ける帳簿名を選択してください。)」の箇所です。
ここには複数の帳簿名が記載されていますが、選択する帳簿は、現金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳・固定資産台帳・現金出納帳・総勘定元帳・仕訳帳の8項目です。
フリーランスの人の中には、買掛帳などはあまり使わない帳簿かもしれませんが、取引が発生した時のために備え付けておくこと自体が重要です。
このように、65万円の青色申告特別控除のメリットを受けるためには、きちんとした帳簿付けができる体制を整えておくことが求められます。
複式簿記によってさまざまな帳簿を備え付け、日々の取引を間違いなく記帳するには、会計ソフトを用いるのが現実的です。
青色申告に対応している会計ソフトなら、上記の帳簿類は、標準機能として備わっています。
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2年目以降は料金が発生しますが、会計ソフトの利用料は経費として落とすことができます。
青色申告承認申請書の書き方のまとめ
確定申告の方法には、青色申告と白色申告の2種類の方法がありますが、個人で事業を行うなら、長い目で見ると、青色申告の特典を受けて少しでも有利に申告・納税を行うことがとても大切になります。
そして、青色申告を行うなら10万円の特別控除ではなく65万円の控除を受けられるように、きちんとした記帳の体制を整えておきましょう。
そのためには、まず、青色申告承認申請書を正しく作成することがスタートとなります。