確定申告だけ税理士に頼む場合の料金の相場はいくら?【個人事業主向け】

ビジネスを行ううえで、正しく税額を計算し、適正に申告することは大変重要です。

その税務申告の専門家が税理士です。

税理士と契約する場合、一般的には「税務顧問」のように、月額の顧問料と年度ごとの決算料・申告料を払う契約が多くなっています。

一方で、個人事業主の中には、まだビジネスを始めて間もなかったり、思うように利益を稼げていないなど、税務顧問までは必要ないという人も多いのが現実です。

このようなときに、「確定申告だけ税理士に依頼する」という方法があります。

確定申告だけを税理士に頼む場合に、どれくらいの料金がかかるのか、一般的な相場をまとめました。

スポンサーリンク
01 レクタングル (大)

確定申告だけを税理士に頼む場合の相場

税理士との契約

税理士に確定申告だけを依頼する場合、いくつかのパターンに応じてある程度の相場があります。

この記事は、売上高1,000万円未満の小規模な事業を営む個人事業主を対象としています。売上高1,000万円以上の規模の大きな事業を営む個人、または法人のケースでは、税務顧問(月額契約)をすることが多いためです。

1.すべての作業を依頼する「丸投げ」の場合

まず、すべての作業を税理士に依頼する、いわゆる「丸投げ」したい場合です。

ここで言う「丸投げ」とは、次のような状況を想定しています。

  • 会計ソフトを自分で購入していない
  • 日々の取引の帳簿付け(仕訳入力)を行っていない
  • 入出金は記録していたとしても、お小遣い帳レベル
  • 領収書(レシート)は保管してあるが、整理はしていない

つまり、イメージとしては「売上や経費の書類はかろうじて残っているが、なにも手を付けていない」状態です。

このような状況の場合、税理士に依頼する作業量が最も多くなるため、それに応じて料金も高くなります。

丸投げの場合の相場

税理士に支払う報酬については、事業の規模に比例して料金が高くなるパターンがほとんどです。

事業の規模は、「売上高がいくらか」で判断されることが多いですが、そのほかにも、事業内容の複雑性や取引量、必要となる仕訳の本数などで決められます。

 売上高500万円未満の小規模な事業者で、青色申告のケース

相場:10万円~20万円

 売上高1,000万円未満の事業者で、青色申告のケース

相場:15万円~25万円

2.記帳は自分で行っており決算と確定申告を依頼する場合

次に、日々の取引は帳簿に記帳しているものの、決算処理と確定申告の部分を依頼するケースです。

上記の「丸投げ」の場合と比較して、記帳する作業や領収書の整理を自分で行っているため、その分税理士が行う作業が減ることから、やや料金は安くなります。

次のような状況を想定しています。

  • 市販の会計ソフトを導入している
  • 1年間の取引(売上や経費)を入力している
  • 領収書(レシート)は月ごと・仕訳ごとなどにまとめてある

決算と確定申告を依頼する場合の相場

 売上高500万円未満の小規模な事業者で、青色申告のケース

相場:8万円~15万円

 売上高1,000万円未満の事業者で、青色申告のケース

相場:10万円~20万円

3.決算まで自分で行っており確定申告だけを依頼する場合

記帳と決算まで自分で行っており、最後の確定申告書の作成だけを税理士に依頼するケースもあります。

これは、以下のような状況の場合です。

  • 市販の会計ソフトで日々の取引を帳簿付けしている
  • 年度末の決算特有の仕訳まで入力している
  • 貸借対照表、損益計算書を作成済みである

決算書の作成までを自分で終わらせておくことで、税理士に依頼するのは最低限の申告書作成業務のみとなります。

そのため、このパターンが最も料金が安くなります。

確定申告だけを依頼する場合の相場

 売上高500万円未満の小規模な事業者で、青色申告のケース

相場:6万円~12万円

 売上高1,000万円未満の事業者で、青色申告のケース

相場:8万円~15万円

申告期限ぎりぎりになると高くなる

よくある3つのパターンごとに税理士報酬の相場を見てきましたが、いずれのケースにおいても、申告期限ぎりぎりになってから依頼すると、さらに追加料金がかかることがあります。

所得税の確定申告は、原則として3月15日が期限ですので、遅くてもその1ヵ月前までには依頼したほうが望ましく、それよりも後になると追加料金を払うこともやむを得なくなってしまいます。

また、確定申告の時期は税理士の最繁忙期に当たります。そのため、直前になって依頼しても、そもそも依頼を断られてしまうことも考えられます。

消費税の申告は別料金のことも

ここまでは、個人の所得税の申告を前提にしていましたが、過去に売上高が多かったなどの理由で、消費税の申告書を提出しなければならない場合もあります。

その場合、1~3万円程度の申告書作成料が追加でかかるケースが多くなっています。

消費税については、非常に簡単な申告のケースと、慎重に検討しなければならないケースが様々ありますので、料金には幅があります。

まとめ

確定申告を税理士に依頼する場合の一般的な相場をまとめました。

なお、ここで示した相場はあくまでごく一般的な料金であり、実際には、それぞれの個人事業主ごとに売上高や取引の量、ビジネスの複雑性や適用する控除などが千差万別です。

そのため、非常に単純なビジネスであれば相場よりも安く受けてくれる場合もありますし、逆に売上高はそれほど大きくなくても複雑な事業を行っていれば相場より高くなることも考えられます

税理士に業務を依頼をする場合は、自分の事業の状況を正確に伝え、税理士にもしっかりと理解してもらったうえで契約することが重要です。

この記事で紹介した相場は、税理士事務所がホームページなどで公表している「料金表」と比べて高く感じることがあるかもしれません。「料金表」の値段は、最低料金を表示していることが多く、その場合は、税理士による面談料金が含まれていなかったり、節税等の相談料が別途必要になる、給与計算や源泉徴収の手続きが必要な場合は別料金が設定されているなど、オプション料金が含まれていない最低価格が表示されていることが多いためです。一方、この記事では、代表的なケースにおいて「トータルでいくらかかるのか」という観点で記載しています。
スポンサーリンク
01 レクタングル (大)
01 レクタングル (大)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする