付加年金には大きなメリットが!2年で元が取れるお得な年金制度

日本では、すべての人が年金に加入します。
その中で、サラリーマンやOLなど一般の会社員が加入するのが「厚生年金」です。一方で、自営業者等が加入するのが「国民年金」です。

厚生年金は給料の額に応じて保険料が決まるため、給料が高い人ほど多くの保険料を納めることになります。その分、将来受け取る年金額も多くなります。

それに対し、国民年金は納める保険料が定額ですので、受け取る年金額も基本的に一定となります。ただし、将来受け取る年金を増やしたい場合に方法がまったくないわけではありません。

その方法のひとつが「付加年金」という制度です。

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付加年金とは?

付加年金

付加年金とは、国民年金に加入する人が加入できる年金で、通常の年金に上乗せして給付を受けることができる制度のことです。
国民年金の加入者が対象ですので、厚生年金に加入する会社員等は付加年金制度の利用はできません。

付加保険料の納付を希望する場合は、市区町村の役所・役場または年金事務所で手続きをする必要があります。

注意点として、国民年金基金に加入している場合は、付加保険料を納めることができません。
国民年金基金も、付加年金と同じように、通常の老齢基礎年金に上乗せして給付を受けることができる制度です。
国民年金基金と付加年金の両方に同時に加入することはできませんので、将来の年金額を増やす選択肢として、国民年金基金に加入するか付加年金制度をとるか、どちらかを選択する必要があります。

なお、付加年金という名前からわかる通り、この制度は通常の定額保険料に付加保険料を上乗せして納めることで、将来の年金額を増やすことができる制度です。そのため、付加保険料のみを納めることはできません。

付加年金の保険料はいくら?

付加保険料は、月額400円です。

増額または減額されることは今のところ予定されておらず、毎月400円で一定額です。それほど大きな金額ではないので、少しだけでも余裕があれば納めることができる金額です。

付加保険料は、納付書を用いて銀行やコンビニエンスストアで納めるか、口座振替(クレジット)で納めます。

申し込んだ月分から納めることができ、納付期限は翌月末日です。
なお、仮に納付期限を経過してしまった場合でも、期限から2年間は付加保険料を納めることができます。

◇詳しい納付方法はこちら:付加保険料の納付のご案内(日本年金機構ホームページ)

付加年金はいくらもらえる?

将来、付加年金としていくらの年金が上乗せされるのかがポイントですが、計算は簡単です。

通常の年金に上乗せしてもらえる年金の額は、「200円×付加保険料納付月数」で計算された額です。

<具体例>

国民年金に加入しており、定額保険料に加え、20歳から60歳まで40年間(480ヶ月)にわたり付加保険料を納め続けた場合

もらえる年金(上乗せ額)は以下のように計算します。

200円 × 480ヶ月 = 96,000円

2年で元が取れる計算

付加年金は「2年間で元が取れるお得な制度」と言われます。

これは、上で示した計算式でも明らかですが、もういちど具体的に計算してみます。

具体例1:40年間納めた場合

付加保険料(年間)…月400円×12ヶ月 4,800円
40年間納め続けた場合の保険料(総額) 192,000円

まず、毎月納める保険料は400円ですので、1年間で4,800円(400円×12ヶ月)となります。

これを40年間納め続けた場合、総額で納めることになる保険料は192,000円(4,800円×40年)です。

次に、上乗せしてもらえる年金額を計算します。

上乗せしてもらえる年金額(年間) 96,000円
上乗せしてもらえる年金額(2年間) 192,000円

もらえる年金額(上乗せ額)は「200円×付加保険料納付月数」で計算しますので、40年間納めた場合は、年間で96,000円(200円×12ヶ月×40年)が受給できることになります。月に換算すると、8,000円多くもらえる計算です。

1年間で96,000円多く年金をもらえますので、2年間では192,000円(96,000円×2年)もらえることになります。

つまり、この時点ですでに40年間納めた保険料の総額と、もらえる年金額が同額になります。すなわち、2年間で元をとったことを意味します。
そのため、3年目以降に受け取る年金額はすでに払った保険料を上回ることになり、まるまるお得になります。

ここでは40年間保険料を納めたケースで計算していますが、40年ではなく何年であったとしても「2年で元が取れる」というのは同じです。

具体例2:10年間納めた場合

例えば、若いころは年金に対する不安もなく、付加年金などの上乗せ給付制度を考えていなかったものの、定年が近づくにつれて不安が大きくなるということもあるでしょう。
具体例の2つ目として、10年間付加保険料を納めた場合は以下のようになります。

付加保険料(年間)…月400円×12ヶ月 4,800円
10年間納め続けた場合の保険料(総額) 48,000円

納める保険料は、総額(10年間の合計)で48,000円です。これに対し、受け取れる上乗せ年金額は以下の通りです。

上乗せしてもらえる年金額(年間) 24,000円
上乗せしてもらえる年金額(2年間) 48,000円

この計算でも分かるように、必ず2年間で元が取れる計算になります。

50歳になって将来の年金に不安を感じてから付加保険料を支払い始めても、決して遅くありません。
さらに、2年間受け取ることで元が取れ、3年目以降は終身までずっとプラスに転じた状態が継続するため、本当にお得な制度と言えるでしょう。

なお、よく勘違いされがちなこととして、「2年間保険料を払えば元が取れる」というものですが、これは間違いです。正しくは、「2年間年金を受け取れれば元が取れる」です。付加年金制度は、何年保険料を納めたかにかかわらず、常に「2年間受け取ることができれば」お得な制度です。

まとめ

付加保険料は意外と知らない人も多い制度ですが、2年間受け取れれば元が取れるため、たいへんお得な制度です。

月々の保険料も400円と手ごろな金額ですので、将来受け取る年金額を少しでも増やしたいという場合、加入するメリットはとても大きいと言えるでしょう。

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